今まで何着もスーツを着てきましたが、その中で異質な存在なのがこのスーツ。
モッズコートなど、ミリタリーウェアで使われていた生地を再現した服地で仕立てたスーツです。
もともと古着やミリタリーウェアが好きで、使い古されたなんとも言えない雰囲気に惹かれるのです。
例えば、コートやパンツは経年変化で大きく雰囲気が変わったものでも受け入れられるけど、スーツは少しでも傷んでしまうとなんとなく2軍行きになってしまう。
それが不思議だなと思い、そもそも経年変化を楽しむ目的のスーツを着ようと思って作ったのがこのスーツ。
日焼けや洗いによる色褪せ、アイロンのあたりなど、使うたびに訪れる変化を楽しんでいます。
リーズナブルとは決して「値段が安い」ということではなく、「価値に見合った」ということです。
仕立て屋Kuros.ではそのように意識して提案しています。
変化を楽しめる洋服、いいですよ!!
私は、古い生地が好きです。
現存するメーカーやブランドのデッドストック、今は無きメーカーのデッドストック、さほど古くは無いけれど新しくも無い物.
背景は様々ですが、味わい深いものが多く心惹かれます。
(好き嫌いはわかれますが)
dead stock、ヴィンテージというとカッコ良いけれど、その多くは売れ残りなのだと思います。
状態が良いもの、そうでないものありますが、それも含めてそそられます。
ウール100%なのか、モヘアやシルクが入っているのか、それすら分からないものもあります。
一宮市のメーカーで織られた古い生地も数々見てきました。
気に入った生地があり、生地の端に社名が織り込まれていたので、その会社の場所を調べて衝動的に向かいました。
しっかりと下調べしていれば事前に分かっていたでしょうが、その会社はもう機織りはしておらず、当時のことを詳しく知っている人も今はいません。ということでした。
何が言いたいかというと、きっかけは何であれ、気になって調べてみたら新たな情報や知識を手に入れることが出来て、さらにハマる!こともあります。
昔の生地は、凝った織り方やおもしろい色使いをしているものが多く、単純におもしろくて好きです!
興味がある方は見に来てくださいね。
dead stock生地のオーダースーツやジャケット、パンツも素敵ですよ!
オーダースーツの世界に入ったきっかけは前回の投稿で簡単にお伝えしましたが、多くのお客さまを対応させていただけたお陰で得た学びがたくさんあります。
会社経営者、スポーツ選手、車いす利用の方、同世代の方から人生の大大大先輩まで幅広く接客させていただきました。
忘れられない出会いもたくさんありますが、最初に頭に浮かぶのはあるお客様との出会いです。
私は当時25歳。ふらっと入店された当時70歳代後半の紳士的なお方。
たまたま1番近くにいた私が対応させていただく事になりました。
挨拶を済ませ、その後スーツから靴から私が着ていた物全てにダメ出しをいただきました。
騙し騙し、それらしい格好をし、それらしい身振りをしていましたが、そのお客様には全て見破られてしまいました。
それをきっかけに、良いものをしっかりと美しく着ることを強く意識して自分なりに変えてみました。
2度目にお会いしたのはその約2ヵ月後。
私はちょうど出勤しており、また対応させていただきました。
会うや否や、『良うなったなぁ』。100点とはなりませんが、褒めて頂きました。
それをきっかけに、私あてにご来店頂きスーツなどをご注文いただくようになりました。
育て甲斐がある奴だと認めていただいたようで、長くお付き合いさせて頂きました。
裁断士、縫製士に対しても常に敬意を示してくださり、一緒にいるだけで勉強になりました。
単なる、売る買うの関係ではなく、師匠ともいうべき存在です。
しばらくお会いしていませんが、お元気かなぁと度々思いを馳せております。
テーラーの仕事が好きな理由の一つは、色々な方と様々なお付き合いをさせていただける機会があるところです。
急にまとめに入りますが、ぜひ遊びにいらしてください!
オーダースーツ店と言うとなんとなく「男の店」というイメージは未だにありますよね。
実際にお客様の割合は圧倒的に男性が多いです。
しかし、お連れ様として来店されたLadyに服地や釦などを見ていただくと、楽しんでいただける方が多いです。
年齢・性別問わず、オーダーするしない問わず、オーダーメイドの楽しさを知って欲しいと思っています。
生地も服も、堅苦しいものばかりやっているわけでは無いですよ。
オーダーメイドに興味があるけどなかなか勇気が出ないなぁという方もたくさんいると思います。
うちの店で良ければ、下見や情報収集のためでももちろん結構ですので、是非覗いてみてください。
レディースーツ、コートやってます。
写真は個人的に好きなツイードです!
自己紹介のつもりで、私のことを少々お話しさせてください。
約10年前、25歳の時オーダースーツ、テーラーの世界に飛び込みました。
前職でスーツを着てはいましたが、詳しい事は何も知らず、清潔感を保つために一応着方に気をつけていた程度でした。
ただ、洋服は好きでしたし、スーツもなんとなく興味があったんだろうと思います。
せっかくだし興味がある世界に飛び込んでみようと、まずは某オーダースーツチェーン店の求人に応募しましたが、未経験者ということで落選。
その後、県内の老舗テーラーにダメ元で応募したら運良く拾っていただき、そこから始まりました。
そこは、店内に熟練の職人さんが常駐されておりました。その姿を見ていたら、この世界にハマるまで時間はかかりませんでした。
オーダースーツは決して安い買い物ではないですよね。
今でも安いとは思っていませんが、職人さんの存在、素材のことなど知れば知るほど考え方は変わってきました。
一着のスーツができるまでに、どれだけの人の手が加わっているのか。
そのことを早い段階で少しずつ気づく事ができた事はとても重要な事でした。
だから私は、ある意味伝え手として、これからスーツを買うという方たちにもそのような想いを伝えたいなぁなんて思っています。
堅苦しいことは苦手なので、気楽にそんな事が話せる空間にしたいです。
私とは全く別のジャンルで活躍されている方、老若男女問わず色々な人の話を聞いてみたいと思ってます。
オーダースーツに縁がなく、扉を開けづらいと感じている方もぜひお気軽にお越しください♪